発売当時は遊ぶ機会もなかった本機ですが、
スプライトが128枚もあるんだったらシューティングゲーが
すごいのができるはずじゃね?というところから
動画のネタにしてみようとソフト作成開始となりました。
なお、動画は全てエミュレータでの実行結果です。実機での実行結果ではないことに注意。
TAKEDA氏やEnri氏など、SCVの解析に貢献された方に感謝いたします。
しかしスプライト枚数を生かしたソフトはない…?
しかし、あまりソフトが出てないということを踏まえても
スプライトがバリバリ動いているというソフトが
カセットを刺さず電源を入れた時にデモとして流れる風船の画面のみと
ニコニコで冷やかされるくらいでていないのはどういうことだ?
スプライト枚数は当時最強、しかしその他がない
ネットの情報からなんと、スーパーカセットビジョン(以降SCVと表記)はBG面がなく、
基本的には26×13の数字や文字を表示するテキスト画面(※)とスプライト128枚しか
存在しないことが判明、
テキスト画面の特殊な使用フラグとしてセミグラフィックモードがありますが
これは画面を52×52ドットの2色表示もしくは26×26ドット
(ドット?このサイズではもはやキャラ)の
16色表示を行うだけのものでもちろんハードウェアスクロールもしません。
となるとゲームの背景をスプライトとセミグラフィックで表示する必要が出てくることになり
そりゃあバリバリってわけにはいきませんわなあ。
(背景のあるゲームはある意味スプライトバリバリだともいえますが)
※)なぜテキストが26×13なのかというと縦の表示バンダリが16ドットとなっており、
行間を8ドット開けた表示となっているからです。
移動物の情報を保存するためのRAMが足りない
もう一つ原因としてSCVには128バイトの内臓RAMしかないということがあげられます。
もっとRAMが必要という場合にはカセット側にSRAMを積むことが必要で「ちょい連射」も
それを前提として作成しています。
しかし当時はSRAMは高価でカセットの値段が上がることからよほどのことでもないと
載せてはもらえなかったことでしょう。となるとどこかにRAMを求めることになり
その矛先がTEXTVRAMやスプライト情報用のRAMに向くのは当然と言えましょう。
むやみに使うとゴミとして表示されてしまうので容易には使用できなかったでしょうが。
風船画面がスプライトを多く出せる訳
そう考えると風船の画面が一番スプライトが出ているのは至極当然と言えます。
背景がなく、動いているのは風船のみで、処理に必要なのは風船の位置と色情報で
スプライト情報RAMがそのまま使用できます。楽勝です。
あとがき
本体の値段を上げられない事情でケチる部分は必ず出てくるのでしょうが、
ケチる部分を間違えるとその後の予定された利益がケチられることになることも考えないと
設計者はダメなようです。